4月 大きなさやの、フカフカな綿毛の中ですやすやと・・・「穀雨」のソラマメ

旬は短いけれど若葉萌ゆる輝く季節の超人気者。いろんな名前で呼ばれてます。

Q:お店にソラマメが登場すると初夏の香りを感じるようになりますね。漢字で書くと「蚕豆」や「空豆」と書かれているのを見ますがこれは種類の違いですか?

内田―――初夏を感じる季節になると、ズッキーニ、ナス、ピーマンなど実を食べる「果菜類」が店頭に並び始めますがソラマメもその一つです。お店によって「蚕豆」や「空豆」という文字を目にしますが、これはどちらもソラマメと読み同じ種類です。「蚕豆」の由来は、鞘がまるで蚕(カイコ)のように見え、蚕が繭を作り始める初夏に旬を迎えることからこう書くようになったそうです。「空豆」は茎から鞘を空に向かってグングンと伸ばしていくような姿で成長していくことからこの漢字を充てた、と言われています。南北に広い日本ではそれぞれの地域で夏の訪れを感じる頃に食べごろとなりますが美味しく食べられる時期が短いので貴重な初夏の風物詩として人気者です。他にも「天豆(てんまめ)」「一寸豆(いっすんまめ)」「お多福豆」「四月豆」「夏豆」「唐豆」など、姿、季節、大きさ、やってきた国など、地域ごとにいろいろな呼び名を持つのも、日本中の人々がこの豆に特別な親しみを持っている所以ではないでしょうか。

ソラマメが美味しいのは収穫してから三日だけ。

Q:鞘ごと店頭に並んでいることが多いですが、新鮮なものを見分けるポイントはありますか?

内田―――太陽の光を十分に浴び、土からもたっぷりと養分を吸い全身にいきわたらせたマメ科の植物の実は、鞘の中でふっくらとした実が整然と並んでいます。ソラマメは鞘に3つから多いものでは5つ大きな豆が入っています。まずは鞘を見て豆の膨らみ方を確認してみてください。ふっくらとしているものがきちんと育ったものです。次に鞘の肌や筋の部分が赤褐色に変色していたり黒ずんだりしていない綺麗なものを選んでください。さやが瑞々しい緑色のものが新鮮な証拠です。ソラマメが美味しいのは収穫してから3日だけ、と言われているほど食べごろが短いので、鞘を見て新鮮なものを目利きすることが重要なポイントとなります。買ってすぐに食べない場合は新聞紙などにくるみ野菜室で保存しなるべく早めに食べてください。

Q:上手な調理方法を教えてください。

内田―――手で鞘をむき豆を取り出します。茹でずに調理するときには、皮の一部に「おはぐろ」と呼ばれるくぼみのような部分がありますから、そこから皮をめくり豆を取り出します。豆の芽が気になるときは芽の下に包丁を浅くV字にいれて取り除いてください。

内田―――塩茹でする場合は包丁で皮に小さく切れ目を入れて、煮たてずにゆっくり5~6分煮てください。すると塩が良くなじみ、甘みが増して美味しく頂けます。

内田―――また鞘ごと焼く「焼きソラマメ」も鞘の中で蒸し焼きにされることで豆の成分が流れでることなくソラマメそのものの味わいを堪能していただくことができるお勧めの調理方法です。

内田―――これは余談になりますが、こうして食べるのは未成熟のソラマメで、完熟して乾燥させた豆を利用して実はいろいろな加工食品が作られているのをご存じですか。甘納豆、フライビーンズ、甘く煮込んだお多福豆、豆板醤など、ソラマメ由来の食品が案外身近に存在しているのです。

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