5月 紀元前ヨーロッパに思いを馳せて・・・「小満」のアスパラガス
太陽に向けて大地から一直線に穂先を伸ばせ!
Q:初夏の声が聞こえてくるとアスパラガスが旬になってきますね。
内田―――地中海東部沿岸から西アジアという朝晩は冷涼で日中は温暖な地域を故郷に持つアスパラガスは、「立春」を迎えたころ気候条件が合う九州地方から“走り”の収穫が始まり、暦の季節の「立夏」、「小満」の頃、全国的に旬を迎えます。冷凍も含め長期保存ができることから都市部から離れた冷涼温暖な地域で多く生産されており、晩春から初夏にかけて旬を迎える北海道を筆頭に、気候的に長期の収穫が可能な九州地方が生産量の大半を占めています。関東近県では栃木県や長野県が主な産地です。
内田―――今ではホクホクした食感とトウモロコシのような甘みが人気の野菜ですが、最初に日本にやってきたのは江戸時代中期。なんと鑑賞用として持ち込まれたのです。食用として栽培され始めたのは明治初期で、政府が北海道開拓を重要視して設置した省庁「開拓使」によって1871年にアメリカから種子を取り寄せたのが始まりなのです。
内田―――今では初夏の時期に北海道はもちろん日本全国ですくすくと穂先を伸ばし私たちの食卓へとその美味しさを届けてくれているのです。
Q:ホワイトアスパラガスというのがありますがこれは種類が違うものなのでしょうか。
内田―――太陽を一杯に浴びて成長したアスパラガスはふっくらした穂先で太い立派な緑の茎を持ちます。ホワイトアスパラガスは種類が違うように思えますが、実はこれは同じ種類のものなのです。育て方の違いで意図的にグリーンとホワイトに分けています。ホワイトアスパラガスは苗の周囲に高く土を寄せたり遮光シートで覆ったりすることで太陽の光を遮りながら成長させたものです。軟白栽培と呼び野菜の茎や葉を柔らかく育てるために行う栽培方法です。
内田―――最近では紫色のアスパラガスをお店の店頭で見かけることがありますが、これは種類が違うものです。
Q:アスパラガスの調理方法ですが皮は剥いた方が良いのでしょうか?
内田―――野菜は収穫の時期によって葉や皮の固さが変化します。アスパラガスは走りから旬の時期にかけては皮がとても柔らかいので剥かずに調理できます。特にハカマと呼ばれる部分はアスパラガスの葉にあたる部分で、その内側から枝を伸ばすために栄養分がそこに集まっていますから、固い部分があればそこだけ削ぎ取り、なるべくそのままお料理に使うことをお勧めします。
内田―――旬も終わりに近づき”名残り“の時期になってくると皮は固くなりますので、包丁やピーラーで剥いてから調理してください。アスパラガスは油との相性がとても良い野菜です。走りから旬までの時期はソテーにしてアスパラガスの味を存分に堪能してみてください。”名残り“の時期は皮を剥き茹でて食べると美味しく召し上がれます。炒める場合には切り方に一工夫し斜めにスライスすることでとても食べやすく調理することができます。