6月 “豆のバトンリレー”のアンカー最終走者!・・・「芒種」のサヤインゲン
このシャキシャキ感がたまらない!茹でて炒めてレッツゴー!
Q:以前内田さんから「豆は不思議で、旬のバトンリレーをしているんです」とお聞きしたことがありますね。
内田―――はい、築地御厨(つきじみくりや)で行っていた野菜塾でも以前からお話していますが、豆には様々な種類があり、食べ方も豊富で、同じ豆でも未成熟のときに食べる時は「野菜」、成熟しきって乾燥したものを食べる時は「穀類」と呼びます。食卓でおなじみの野菜として食べるときの豆たちの旬が、まるでリレーしているかのように少しずつずれているのです。グリーンピースは3月~5月、スナップエンドウは4月~5月、絹さやは4月~6月上旬、モロッコインゲンは5月~8月、そして、さやいんげんが6月~9月、というように。不思議ですよね。
Q:バトンリレーの最終走者が芒種に登場する“さやいんげん”ということなのですね。
内田―――そうなのです。夏の足音と共にサヤインゲンの旬がやって来ます。一般的に全国のお店に並ぶ豆の最終走者です。一般的に、と申し上げたのは、沖縄や小笠原などではシカク豆(うりずん豆)という夏から秋にかけて出てくる熱帯地域の豆があるからです。この豆は最近ではほかの地域でも作られていますがなかなか見かけることはありませんね。
内田―――ご存じの方も多いかと思いますが、サヤインゲンというのはインゲンの成長過程で青い鞘を食べる“野菜時代”の総称です。インゲンには他の豆と比しても数多くの種類があり、お店の乾物コーナーでよく見かける「金時豆」「うずら豆」「手亡(てぼう)」「とら豆」などはインゲンの一種です。
内田―――インゲンの故郷はアメリカ中南部。コロンブスによってヨーロッパへ持ち込まれ、その後アジアに広がり、日本へは江戸時代初期に中国から渡来しました。隠元隆琦(いんげんりゅうき)という僧侶が日本に渡ったときに持ってきたことからその名がついたと言われています。
内田―――古くからサヤインゲンとして料理に重宝したのはフランスです。英語名で「フレンチビーン」という呼び名までついているのはそのためです。
Q:旬の時期のサヤインゲンの主な産地はどこになりますか。
内田―――サヤインゲンの生育適温は20℃から25℃くらいです。日本の初夏の気候が最も適しており、旬を迎える5月あたりから7月頃までは千葉県、茨城県などの生産量が増えてきます。真夏から秋にかけては福島県、青森県、群馬県など緯度、高度が高いところに旬が移動して行きます。
内田―――ちなみに穀類としてのインゲン豆の生産量は広大な土地で栽培を行う北海道が圧倒的で全国シェアの9割を占めています。
Q:美味しいサヤインゲンの選び方を教えてください。
内田―――若い鞘を美味しく食べることがテーマですから豆自体が大きく成長しすぎていないもの。あまり「マメマメしくないもの」を選んでください。そしてヘタから先端部分までがまっすぐで、先端がすっとしているものが美味しいサヤインゲンの特徴です。
Q:お勧めの食べかたをひとつご披露いただけませんか?
内田―――数種類の野菜を使って料理を作るときにお勧めするキーワードが「旬と旬を合わせる」ということです。同量だとメインの野菜の個性を消してしまいますから、メイン野菜5:合わせる野菜1、あるいは3:1くらいの割合で料理をするとサヤインゲンを美味しく楽しむことができます。
内田―――例えば前項目でお話したアスパラガスを1、サヤインゲンを5用意し、両方を軽く茹でて合わせ、塩・コショウ・醤油を少々ふりかけてオリーブオイルをお好みの分量回しかけるだけで素材の味を生かした温野菜サラダとなります。同じ頃旬を迎えているアボカドなどを加え生ハムと和えて、なんていうアレンジをしながらいろいろ楽しんでみてください。