6月 暑くなるほどに熱帯アメリカの血が騒ぐ・・・「夏至」のピーマン

それは緑から始まる色とりどりの夏の化身。

Q:暑さが増し始める梅雨の頃からピーマンの季節が始まりますね。やはりピーマンのルーツは暑い地域にあるということですか?

内田―――ピーマンはナス科トウガラシ属の野菜でトウガラシの一種なのです。トウガラシのルーツをたどると熱帯性気候の中南米に自生し紀元前6000年以上前からペルーやメキシコなどで栽培が始まっていたといわれています。その子孫であるピーマンは暑さに滅法強く、日本では真夏の暑さが最も生育に適しており梅雨の頃から旬が始まります。気候への順応性が高いので寒さを感じるようになる秋の終わりまで実り続け、同じようにトウガラシの子孫であるパプリカ、シシトウ、万願寺トウガラシなどと共に長い期間店頭を賑わせることになります。

Q:ピーマンはトウガラシの一種ということですが辛みはありませんね?

内田―――トウガラシには甘味種と辛味種があります。トウガラシの辛みの元はカプサイシンという成分なのですが、その働きが弱く辛さをあまり感じない甘味種を年月をかけて品種改良し出来上がったのがピーマンやパプリカなのです。シシトウや万願寺トウガラシはやや辛みを感じるものもありますがこれらも甘味種に属します。辛味種では鷹の爪、島トウガラシ、韓国トウガラシ、ハラペーニョ、ハバネロなどを乾燥食材や加工食品としてお店の棚で見かけることがあります。最近では激辛ブームにのってハラペーニョ、ハバネロを野菜売り場で見かけることも多くなってきました。

Q:ピーマンは最近では緑色だけではなくカラフルなものがありますね。これは種類の違いということでしょうか。

内田―――ピーマンだけではなくトウガラシ類は実がつき始めたときから成長過程は緑色、熟れるに従い赤、黄、オレンジなどの色に変化していきます。日常私たちが料理に使用する緑色のピーマンは未成熟の段階で収穫した若い実なのです。梅雨入り頃の旬の“走り“のピーマンは皮が柔らかく水分量が豊富です。種もまだ生育途中ですから真っ白で水分を含み柔らかいので、この時期は種を取らずに丸ごと焼いて食べても美味しいのですよ。旬も半ばを迎えると皮がしっかりとし実が大きくなり締まってきます。”名残り“の時期になると熟し始め、緑色の皮が徐々に色づき始めます。そして完熟し赤や黄やオレンジ色に色づいたものがカラーピーマンとして店頭に並びます。パプリカはピーマンと同じくトウガラシの一種ですが、ピーマンとは違い”走り“の頃から皮が厚くしっかりとした食べ応えがあります。お店に並ぶ色とりどりのものはカラーピーマンと同じように旬の”名残り“に完熟した実なのです。

Q:良いピーマンの見分け方を教えてください。

内田―――ヘタの周囲の「肩」と呼ばれる部分が綺麗に盛り上がっていて、皮に艶があるものを選びましょう。これは養分が十分にいきわたり良く成長している証拠なのです。こういうピーマンを切って断面をみるとヘタの下の胎座の部分に縦にびっしりと種が並んでいます。反対に肩が張っていなく艶もないものを切ると、種はまばらで良い成長をしていないことが一目瞭然です。そして新鮮なものを選ぶためにヘタも見てください。ヘタや切り口が黒ずんでいたり萎れているものは収穫してから時間がたってしまっています。ヘタの部分がしっかりしていて瑞々しいものを選べば間違いありません。

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