8月 生薬から香辛料まで。暑い時期に身体を中から整えます・・・「立秋」のショウガ

真夏の守護神!免疫力UPの土の下の力持ち。

Q:「立秋」を迎える真夏には葉付きの谷中ショウガが店頭に並び始めます。ショウガの旬はこの時期からでしょうか?

内田―――熱帯アジアが原産とされていて生育適温が25℃~30℃程度、寒さにはとても弱いという特性を持つ植物ですから、露地自然栽培では全国的に霜の降りなくなる時期に球根を植え付け夏に旬を迎えます。最近では自然栽培でさえ栽培方法が進化していますから生産量上位を占める高知県、熊本県、岡山県などは元からの温暖な気候を利用しながら年間を通じて上手に生産を行い全国に送り届けています。冬に艶のある柔らかい新ショウガや、春先に固く成熟したショウガが店頭に並ぶのはそのおかげです。谷中ショウガと呼ばれる根元の部分が紅色に染まる葉ショウガは千葉県、埼玉県、静岡県など主に関東近県で栽培されており、7月~8月頃に旬を迎えます。

Q:谷中ショウガは東京の谷中で作られているわけではないのですね?ショウガの呼び名はいろいろありますが呼び名についても教えていただけますか。

内田―――谷中ショウガはブランド名のようなものです。江戸時代後期に今の西日暮里駅から日暮里駅あたりに位置していた谷中本村で作られていた庶民に人気の葉ショウガでした。明治以降の街の開発、関東大震災後の復興開発でこの辺りには農地や川がなくなり農作物は作られなくなりました。現在は他地区で作られている葉ショウガが谷中ショウガとして全国の初夏の店頭を賑わせているのです。

内田―――ショウガの呼び名はいろいろあるのですが、主に「栽培・収穫した状態」と「品種」で分類されています。栽培・収穫した状態のものでは、収穫したばかりの柔らかい時期に出荷される「新ショウガ」、新ショウガを約2か月寝かせ固く成熟させた「囲いショウガ」、根茎部分が小さい時に収穫する「葉ショウガ」、日光を遮り軟化栽培された「矢ショウガ」などです。品種では「大ショウガ」「中ショウガ」「小ショウガ」に分類されています。

内田―――谷中ショウガは「小ショウガ」の「葉ショウガ」となります。

内田―――ショウガは長期保存ができますから「大ショウガ」や「中ショウガ」の「新ショウガ」を買い求めたときに、空気に触れないよう新聞紙などで包んで冷蔵庫で保存することで、秋に「囲いショウガ」として食べることができます。

Q:ショウガには生薬としても利用されていますがどのような効能があるのですか。

内田―――ショウガの辛み成分のジンゲロール、それを温めることでできるショウガオールという香りの成分などが消化促進、血液循環促進、代謝促進などに効くことから、中国では漢方薬に利用されたり、欧米では食欲不振や風邪をひいた時などに熱湯と砂糖やはちみつを加えてジンジャーティーにするなど、身体をいたわらねばならない状況の時に重宝されています。

内田―――料理でもこういう効能を生かし、魚や肉の料理の生臭さを消すためや、飴、清涼飲料、焼き菓子など加工食品の香辛料として全世界で幅広く利用されています。

内田―――真夏に旬を迎えるショウガは暑さで消耗した身体を整えてくれる貴重な野菜なのです。

TOPページへ戻る