9月 広大な北の大地からの贈り物・・・「白露」のジャガイモ

秋の便り。雪降り積もる前にアンデスの香りをのせて。

Q:9月になるとようやく秋を感じられる日が出てきます。一年中お店に並ぶジャガイモですがこの頃が旬なのでしょうか。

内田―――日本のジャガイモの約8割が北海道で生産されています。トマトと同じように南アメリカのアンデス山地をルーツに持つジャガイモは気温15℃~20℃という冷涼な気候が生育に最も適しています。緯度が高い北海道は夏でも平均気温が20℃前後で、その肥えた広大な大地は冷涼な気温と相まみえ、ジャガイモにとって絶好の環境を創り出しています。まだ寒さの残る4月から5月に植え付けつけられ生育適温の夏に十分に栄養を蓄え、花が咲き終わる7月下旬ごろから新ジャガの収穫が始まります。本格的に旬を迎えるのは8月下旬から10月にかけて。この頃に国内産のジャガイモの8割がこの地で収穫され保存され適宜に全国に出荷されていきます。10度前後で保存することで、冬を越し春の声が聞こえる頃まで食べることができるのです。まさに白露を迎える9月はジャガイモの旬となります。

内田―――このようにジャガイモは北海道をはじめ緯度が高いところ、あるいは緯度が低くても高度の高い冷涼なところを好みますが、風土への適応能力がとても高い植物なので日本各地で栽培されています。冷涼な地域では年に1回秋のみの収穫となりますが、温暖な場所では春先に植え付け初夏に収穫、晩夏に植え付け晩秋から初冬にかけて収穫というように2度の栽培が可能です。年間を通して絶え間なく店頭に並んでいる理由がここにあります。

Q:良いジャガイモを選ぶにはどこに注目すればよいのでしょう?

内田―――様々な種類がありますが種類に関係なくあまり大きくなりすぎていないものを選んでください。古いものは皮が硬くなっているので、皮が薄くしっかり重みがあって身が締まっているものが美味しいジャガイモです。皮の部分が傷ついていたりブツブツと斑点が出ているもの、そしてたまに肌が緑色になったものを見かけたことがあるかもしれませんが、これはソラニンという有毒な成分ですのでこういうものは避けてください。買ったものでも明るいところに置いておくと緑色に変色したり早く芽吹いてしまうことがあるので、すぐに食べない場合は新聞紙などにくるみ風通しが良く光が入らないところで保存してください。

Q:どのような食べ方がお勧めですか。

内田―――ジャガイモはデンプン、ビタミン類、カリウム、タンパク質などを豊富に蓄えていて栄養価が非常に高い野菜です。中でも皮にはビタミンC や食物繊維、ポリフェノールなどがたっぷり含まれていますから皮ごと食べることをお勧めします。皮付きのまま調理することでデンプンの流出を抑えることができます。特に新ジャガは皮が柔らかいですから、そのまま丸ごと蒸したり、焼いたり、揚げたりすることでジャガイモそのものの風味をじっくりと味わうことができます。古くなり皮が固くなったら剥いて調理し、皮は捨てずに揚げてチップスなどに利用することもできます。

内田―――また、種類によって特性を生かした料理に利用することも美味しく食すためのポイントです。例えば男爵イモのような粉質系のものは煮崩れしやすいのでポテトサラダ、コロッケなどに向いています。メークインのように粘質系のものは煮崩れしにくいので、肉じゃが、シチューなどの煮込み料理に最適です。

内田―――ちょっと工夫しながら料理することでその素材と相性の良い食材にいろいろ出会えるのも野菜生活の楽しみではないでしょうか。

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