2月 天の恵みが雪から雨へと変わり、春一番が吹くころに旬がやって来る・・・「立春」のキャベツ
ケールを両親に、ブロッコリー、カリフラワーを兄弟に。
Q:徐々に暖かさが増し、そろそろ春一番の時期か、となるとキャベツが旬を迎えますね。
内田―――キャベツは改良が重ねられ季節に関係なく栽培が可能なので、今や一年中野菜売り場に並んでいますが、露地野菜としては小寒の頃に「走り」を迎え「立春」の頃に「旬」となります。ルーツは地中海などヨーロッパ西部の海岸地域の野生のケールで、紀元前にケルト人によって栽培されるようになり、やがて結球するものとしないものに改良されていきました。
内田―――結球しないものにはブロッコリー、カリフラワーのように花の部分を食べるもの、そして結球するものにはキャベツの他、芽キャベツやコールラビなどがあります。
皆、祖先が同じなのです。
内田―――原産地が地中海気候で気温15℃~20℃という温暖な海岸地域ですから、日本では「立春」から「雨水」の頃、地中海と同じような緯度で関東と関西の中間に位置し温暖な気候の愛知県渥美半島にある伊良子岬あたりから旬が始まるのです。そして暑さを感じ始める頃になると群馬県、長野県などの冷涼な高原に旬が移動して行くのです。
Q:寒い時期のキャベツの葉が紫がかっていることがありますがこれは霜や寒さなどで傷んでいるのでしょうか。
内田―――これは “目利き” の重要なポイントになります。葉に紫色の部分があるのは寒さから身を守るために糖度を上げているからなのです。ですから甘みが一段と増しています。
内田―――“目利き” について話題が出たので他のポイントも挙げておきましょう。キャベツは白菜と同じように、寒さから身を守るために葉を巻いていきます。触れてみて、しっかり葉を巻いて固くなり、ずっしりと重みを感じるものが良く育っている証です。そして真横から見たときに左右対称で、裏返して真下から見たときに同じ大きさのものと比較して切り取った芯の部分がより小さくて丸いもの、この2点を併せ持ったものが栄養分を偏ることなく吸収して伸び伸びと成長している、旨味一杯のキャベツなのです。是非お店でキャベツを選ぶときの参考にしてみてください。
手でちぎってあげると灰汁が出にくくなる。
Q:内田流「美味しく簡単にキャベツの旬を味わう」食べ方を教えてください。
内田―――どの野菜も切り方によって味わいが変わってきます。包丁を使う場合は繊維に沿って切ると灰汁(あく)や苦みが出にくくなりシャキシャキとした食感を残すことができますし、繊維を断ち来るように刃を入れると柔らかく調理することができます。葉菜でしたら包丁を使わずに「ちぎる」と灰汁や苦みが出にくく、より旬の味わいを楽しむことができます。
キャベツの旬の風味を楽しんでいただくために、是非シンプルな蒸しキャベツを食べてみてください。
内田―――簡単なお料理ですがキャベツの切りかたにポイントがあります。包丁は底面の芯をとるときのみ使用し、芯をとった跡に親指を入れて手でキャベツを割ります。割れたら適度な大きさに手でちぎり鍋に入れ、150cc程度の水と小さじ半分くらいの塩を加えて蓋をして3~4分蒸します。これで完了。ポン酢などで食べていただくと旬のキャベツの旨味を存分に味わっていただくことができます。同じ頃に旬を迎える橙(だいだい)を使用したポン酢などを作ってひと手間かけてみると、「旬」というものをより感じていただくことができると思います。