3月 柔らかな陽光に光り輝く深紅の宝石・・・「啓蟄」のトマト

それは脈々と続く、アンデスの祖先からの生命(いのち)の息吹。

Q:トマトの旬は夏と考えていたのですが、春なのですか?

内田―――トマトのルーツの話からいたしましょう。
トマトの故郷はアンデス山脈です。南アメリカ大陸の西側に位置し、その距離南北約7500キロ、7か国に渡る世界最長の山脈です。20峰を超える標高5000メートル級の山を擁しながら広大な高原を持つこの山脈が後年トマトとして栽培されていく野生種の生息地でした。メキシコに持ち込まれトマトとしての栽培が始まり、やがてヨーロッパに渡ります。そして16世紀にヨーロッパの人々がアジアに進出してくる中で日本にも渡来しました。

内田―――アンデスの高原地域は平均気温が15度。朝晩と日中の気温差が大きく、雨が少ない乾燥した冷涼な気候です。何世紀にもわたり進化してきたトマトですが、この先祖の遺伝子をしっかりと受け継いで、昼間は温暖で朝晩は冷涼な、湿度の低い場所が生育に最も適しているのです。

内田―――日本では年間の生産量が一番多い熊本県が3月から4月にかけて国内では最初の旬を迎えます。熊本県は西に海岸地域、東に標高約1500メートルの阿蘇山を擁しており、熊本・八代平野は内陸性気候で年間平均気温が15℃~16℃、降雨量が少なめで昼夜の寒暖差が大きいという、正にアンデスの気候に似た特徴を持っているのです。熊本県が年間を通して生産量が多い理由もその地形にあるわけです。熊本県を皮切りに愛知県、静岡県、千葉県、茨木県、栃木県などが旬を迎えていきます。

ヨーロッパの諺(ことわざ)「トマトが赤くなると医者が青くなる」!?

Q:トマトはなぜ赤いのでしょう?

内田―――リコピンという色素のためです。スイカやパパイヤ、マンゴー、金時ニンジンなど赤みのある野菜や果物に含まれている色素です。動脈硬化、がん、肌の老化などに影響を及ぼす活性化酸素を取り除く抗酸化作用を持つと言われています。

内田―――トマトにはリコピンの他ビタミンC、βカロテンなど栄養素を豊富に含んでいるため、トマトを日常的に使うヨーロッパには「トマトが赤くなると医者が青くなる」という諺があります。トマトが旬の季節には病気になる人が減り、患者がいなくなって医者が青ざめる、という意味で作られた諺です。うまいことを言いますよね。

Q:良いトマトの選び方を教えてください!

内田―――まず鮮やかな赤い色をしていること。そしてヘタの部分が淡い緑色をしていて、どこから眺めても真ん丸なもの。最後に手に取ってみたときにずっしりと重みがあるもの。これらに注目してお店で選んでいただければ旬の豊かな味を持った美味しいトマトに出会えます。

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