4月 桜とともに春の訪れを奏でる・・・「清明」の菜の花

花咲けば黄色の絨緞に心癒され、蕾食すれば味覚が春で満たされる。季節を五感で感じることができる素敵なお野菜。

Q: 桜の時期がやって来ると菜の花が店頭に並び始めますね。河原や畑でも一面の黄色い花を見かけたり、野菜売り場では束売りしているのを見かけたりしますが、そもそも菜の花とはどのような野菜なのでしょう?

内田―――「春分」から「清明」の頃、桃や桜が咲き誇る中、全国あちらこちらで菜の花の爽やかな黄色い群生を眼にするようになります。桜と並ぶ春の風物詩です。しかし実は“菜の花”という名の植物が存在するわけではなく、これはアブラナ科の植物の花の総称なのです。大きくは紀元前に中国から渡ってきた在来種と以降渡来した西洋種の二つに分かれます。食用はもちろんですが種の含油量が非常に多いことから製油する目的でも広い地域で栽培が行われてきました。

内田―――春の訪れと共に一気に芽を吹き、それを食す野菜を“芽吹き野菜”と呼びます。菜の花はその代表格です。越年草である菜の花は春の声を聞くとぐんぐんと成長し花蕾を付けます。野菜作りにおいてはこれを“トウ立ち”現象と呼び収穫の終わりと位置付けますが、アブラナ科の野菜は“トウ立ち”を芽吹き野菜として「菜の花の旬」と位置づけ、花茎と蕾を収穫して行きます。先述のブロッコリーもアブラナ科ですからその一つと言えます。

内田―――よく店頭で見かける菜の花は切り花として鑑賞用に栽培されている種類のものを、苦みえぐみを抑えて独特のほろ苦さだけを味わうことができるように品種改良したものです。白菜、カブ、小松菜、チンゲン菜なども春のトウ立ちを待って菜の花として美味しくいただくことができるのです。

Q:お店で良い菜の花を選ぶポイントを教えていただけますか。

内田―――菜の花は蕾のうちが食べごろですからまずは花が咲き始めているものは避けることです。花が咲き始めると苦みが増し味が落ちてしまいます。次に茎の切り口を見てください。断面が黒ずんでおらず瑞々しく、茎と葉がピンと張っているもの、そして葉ものですから葉が淡い黄緑色のものを選べば新鮮で味わい深い春の味覚を楽しむことができます。

Q:どのように調理すると美味しく料理ができますか?

内田―――菜の花は灰汁(あく)を持っています。灰汁を持つ野菜は金物に反応して灰汁をより多く外に出してしまいますので金物の包丁は使わずに調理したほうがより美味しく頂くことができます。包丁などは使わず菜の花は指先で茎をポキッと折り、葉はちぎって使うのがお勧めです。

内田―――茹でて食べる場合は菜の花の分量の5倍程度の量の熱湯に塩を加えて茎の根元から入れさっと茹で上げて下さい。水には落とさず、ざるに上げて水を切って冷ませば完成です。茹で時間が長かったり、茹でた後に水に落とすと鮮やかな色やシャキシャキとした食感が失われてしまいます。

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